山本水理研究室へようこそ
私は、大学院を昭和56年3月に修了後、平成15年3月まで建設コンサルタントとして、海岸、港湾、河川を対象とした防災、建設、環境保全に関わる調査・計画・設計および研究を行ってきました。この22年間の実務経験を活かし、東海大学土木工学科の学生諸君に対して、土木工学の知識形成だけでなく、社会に貢献できる技術者や研究者として必要な判断力と実行力を強化する教育を、社会で活躍されている先輩の技術者と先生の方々のご支援の基に、実践していきたいと思っております。
また、民間の会社では、第一に収益性、第二に客である役所の満足度、第三に会社にとって有益な技術力の向上が主要な評価項目ですが、東海大学では、美しい国土、安全で安心できる生活、豊かな社会の形成に役立ち、その結果として、東海大学の名声に資する研究を進めていきたいと思っております。
そして、現在進めている研究には、次のようなものがあります。
(1) 流れや波の数理・数値モデル化は相当に進み、予測精度も悪くありませんが、地形変化のモデル化は遅れており、予測精度も十分と言い難い面があります。特に、洗掘量を予測できる数理・数値モデルの完成度は低く、また、長期的な地形変化を予測する場合には、適切な外力諸元の決め方が確立していません。一方、計画波より低い波で被災する海岸構造物の事例が多発しておりますが、その主要原因に洗掘と吸出しがあります。したがって、地形変化予測法の精度向上に努めています。
上図は国土交通省との共同研究成果で、開発した数値モデルの検証計算結果と、そのモデルにより作成した最大洗掘量と洗掘幅の算定図です。なお、記号Hは入射波高です。
(2) 高波と海岸侵食に加えて、地球温暖化が現実的な問題となってきました。これらによる諸影響(水位上昇、高波、侵食の激化等)を土木工学的な観点から評価できる数値モデルの構築やこれらを用いたハザードマップ作成などの防災研究も実施しております。
上図は国土交通省との共同研究成果で、地球温暖化による水位上昇が生じた駿河海岸へ50年再現確率の波が来襲した場合の高潮浸水を数値モデルにより予測した結果です。
最後に、私が今までに開発等に関った数値モデルやプログラムを列挙します。お使いになりたければ、声を掛けてください。
【波浪関係】
(1) ME法による波浪解析プログラム開発,
(2) ウイルソン法による波浪推算プログラムの改良,
(3) WAM(スペクトル法)による波浪推算プログラムの共同開発,
(4) 波向線法による屈折変形プログラムの改良,
(5) 数値波動解析法による波浪変形プログラムの改良,
(6) 非定常不規則緩勾配方程式による波浪変形プログラムの共同開発,
(7) 経験式による波の打上高・越波量算定モデルとプログラムの開発,
(8) 浅海長波方程式による波の打上高・越波量算定プログラムの開発,
(9) ブシネスク方程式による波の打上高・越波量算定モデルとプログラムの共同開発,
(10)境界要素法による副振動解析プログラムの改良。
【流れ関係】
(1) 浅海長波方程式による高潮・越波浸水予測プログラムの共同開発。
【地形変化関係】
(1) 露岩域を考慮した汀線変化予測プログラムの改良,
(2) 経験的固有関数法による海浜地形変化予測モデルとプログラムの開発,
(3) 岸沖漂砂を考慮した汀線変化予測モデルとプログラムの開発,
(4) 等深線変化予測モデルとプログラムの共同開発,
(5) ブシネスク方程式を用いた海浜地形変化予測モデルとプログラムの共同開発。
(6) CADMAS-SURFを用いた海岸堤防からの裏込め材吸出し予測モデルとプログラムの共同開発。
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