みなさんは「土木工学」と聞いて何をイメージしますか?橋、道路、コンクリート、水道…など、私達が普段何気なく使っているほぼ全ての公共機関に、土木が関わっています。土木工学とは、私達の生活を支える交通・通信・水道網などの社会基盤(それらを「インフラ」と呼びます)を設計・創造するための専門知識を学ぶ場所です。
一方、最近よく耳にする「環境問題」、これも土木と係わりが深いことを知っていますか?例えば、地球温暖化によって海面が上昇した場合、海辺の街をいかに救うか、その防災手段を考え、実行できる技術・知識を持つのは土木工学です。このように土木工学は、自然環境と人間社会とをつなぐ役割を担っています。
私達の研究室では、沖縄の海が汚れ、サンゴ礁やマングローブ林が減少する問題に着目し、沖縄県石垣島のマングローブ林で現地調査を行い、自然がどれほど負荷を受けているのか、その詳細を調べています(Galleryなどの写真を参照)。
「人の営みが自然環境を破壊する」という意識は広く浸透してきました。これからの時代は、「では、人と自然がいかに共生していくか?」その具体的な技術・案を模索しなければなりません。環境修復・改善、そして人の生活を支える技術を持つ土木工学だからこそできることが山ほどあります。
今、日本は水道事業や空港建設など、日本が誇る土木技術を海外へ輸出すること(インフラ輸出)に力を入れています。活躍の場はどんどん広がり、それは土木工学科卒業生の就職率の高さにも表れています。みなさんも一緒にチャレンジしてみませんか?
寺田研究室では、上記の様な考えのもと、自然環境と人の関わりを、主に物理・化学的側面から研究しています。
2022年現在、大きく3つの研究プロジェクトを進めています。
1.亜熱帯沿岸域複合生態系における物質循環の解明(沖縄県石垣島)
2.乳酸菌を用いた水質浄化手法の開発(熊本校舎農学部木下研との共同研究)
3.神奈川県金目川における魚類の生息分布と物理・化学環境の関連性(神奈川県)
4.東日本大震災被災地における水環境調査と定点観測カメラによる環境再生モニタリング(宮城県)
これら以外にも、水環境にまつわるテーマは数多くありますので、要望があれば随時相談に乗ります。
1) 都市河川(例.金目川流域)における水質時空間変動の研究
2) マングローブ水域における物質循環の研究(石垣島、西表島)
3) マングローブ河川からサンゴ礁までの広域水圏調査(石垣島、西表島)
4) 生物相と物理・化学環境の現地調査結果の検証(金目川、沖縄)
5) GISを使った沿岸域の現況、歴史的変遷の把握(金目川、沖縄)
6) 沿岸水質変化とシャコ貝の生育状況の変化(石垣島)
Home